転職で給料は上がる?成功する転職の秘訣とは?最新データで見る転職事情
はじめに:
「終身雇用はもう古い」「今は転職して当たり前の時代」―― そんな言葉を耳にする機会が増えました。
働き方の多様化が進む中、キャリアアップや収入アップを目指して、転職を選択肢に入れる人が増えています。
しかし、実際に転職する人はどのくらいいるのでしょうか?そして、転職によって本当に給料は上がるのでしょうか?
この記事では、最新のデータをもとに、転職市場の現状を分析し、転職で給料が上がる可能性や、転職を成功させるための秘訣について解説します。
第1章: データで見る転職の実態!転職割合は増加傾向?
まず、転職を考えている人なら最も気になるであろう、実際のところ、転職する人は増えているのか?についてです。実際のところ、どれくらいの人が転職しているのか、まずは実態についてをデータから見ていきましょう。
結論からお伝えすると、転職をする人の割合は増加傾向です。
総務省統計局の労働力調査によると、2023年の転職者数は約330万人で過去最多となりました。転職者比率(直近の1年間に就業形態を変更した者の割合)で見ると、2019年が4.8%だったのに対し、2023年は4.6%と減少しているにも関わらず、転職者数は約30万人増加しています。
このことから、転職市場は引き続き活況であり、多くの人がより良い条件や環境を求めて転職活動を行っていることがわかります。
表: 転職者数と転職者比率の推移(単位:万人、%)
年 | 転職者数 | 転職者比率 |
---|---|---|
2019年 | 351 | 4.8 |
2020年 | 319 | 4.5 |
2021年 | 290 | 4.3 |
2022年 | 303 | 4.2 |
2023年 | 328 | 4.6 |
- データソース:総務省統計局「労働力調査」より作成
- 注記:転職者比率は、直近の1年間に就業形態を変更した者の割合。
ポイント:
- 転職者数は、2021年を底として増加傾向です。
- 2020年、2021年はコロナ禍の影響で、転職を控える動きがあったことが予想されるが、その後は回復している。
- 転職者比率は微減ではあるものの、転職者数は過去最多と、転職市場は活況である。
第2章: 転職で給料は上がるのか?転職者の実態調査!
転職を検討する際に最も気になるのが、「転職によって給料が上がるのか?」という点でしょう。結論から言えば、転職で給料が上がる人は多いです。
厚生労働省の「令和4年転職者実態調査」によると、転職によって「賃金が上がった」と回答した人は、全体の約38.8%でした。一方で、「賃金が下がった」と回答した人は約17.6%、「変わらない」と回答した人は約39.9%という結果です。
表:転職による賃金の変化(単位:%)
賃金の変化 | 割合 |
---|---|
増加 | 38.8 |
減少 | 17.6 |
変わらない | 39.9 |
不明 | 3.7 |
- データソース:厚生労働省「令和4年転職者実態調査」より作成
- 注記:数値は、転職前後の賃金を比較した結果。
ポイント:
- 転職によって4割近くの人が賃金アップを実現している。
- 賃金が「変わらない」人も約4割いるが、これは希望する働き方や労働条件を優先した結果、あえて賃金が変わらない転職を選んだ人も含まれていると考えられる。
- 「増加」と「減少」にのみ注目した場合は、給与が「増加」した人が68.8%となる。
さらに、賃金が「増加」と回答した人のなかで、「1割以上」の増加と回答した人の割合は約7割となります。
表:転職により賃金が増加した人の増加割合(単位:%)
賃金増加割合 | 割合 |
---|---|
3割以上 | 24.5 |
2割~3割未満 | 21.8 |
1割~2割未満 | 27.1 |
1割未満 | 26.7 |
- データソース:厚生労働省「令和4年転職者実態調査」より作成
つまり、転職に成功した人の多くは、1割以上の給与アップを実現していることになります。
第3章: 転職で給料を上げるための4つの秘訣
転職で給料を上げることは十分に可能です。しかし、そのためには、やみくもに応募するのではなく、戦略的に転職活動を進めることが重要です。ここでは、転職で給料を上げるための4つの秘訣を紹介します。
1. 自分の市場価値を正しく把握する
まずは、自分のスキルや経験が、現在の労働市場でどの程度評価されるのかを客観的に把握することが大切です。転職エージェントや、キャリアアドバイザーなどに相談し、自分の適正年収を調べてもらうのも良いでしょう。
2. 需要の高い業界・職種を狙う
成長産業や、人材不足の業界・職種は、高い給料が提示されやすい傾向にあります。IT業界、医療業界、グローバル関連の職種などは、今後も需要が見込まれるため、これらの分野への転職は、給料アップのチャンスが広がります。
3. スキルアップ・資格取得で付加価値を高める
転職活動と並行して、自分のスキルを磨いたり、新たな資格を取得したりすることも効果的です。特に、専門性の高いスキルや、需要の高い資格は、企業から高く評価され、給料アップにつながりやすくなります。
4. 複数の企業を比較検討し、条件交渉を行う
複数の企業から内定を得た場合は、給与や待遇などの条件を比較検討しましょう。また、企業との給与交渉も重要です。自分の希望する年収を明確に伝え、根拠となる実績やスキルを提示することで、交渉を有利に進められる可能性があります。 ただし、一方的に希望額だけを伝えるのではなく、企業の状況も理解するように心がけ、双方が納得できる着地点を探る姿勢が大切です。
まとめ:
転職は、キャリアアップや収入アップを実現するための有効な手段です。最新のデータからも、転職者数は増加傾向にあり、多くの人が転職によって給料アップを実現していることが明らかになりました。しかし、転職で必ず給料が上がるわけではありません。
転職を成功させるためには、自分の市場価値を正しく把握し、戦略的に転職活動を進めることが重要です。この記事で紹介したポイントを参考に、転職で給料アップを実現し、より充実したキャリアを築いてください。
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